
これは東京に住んでいた20代の頃、まだ新型コロナウイルスが出現する前のお話。
私は芸能活動の傍ら、生活費を確保するために夜勤アルバイト、イベントスタッフ、知人の事業の手伝いをはじめ、様々な仕事をしていました。
一方で、「もっとやりたいことを優先したい」
そう感じるようになっていました。
そんな時に知ったのが、Uber Eats配達員の仕事でした。
自分自身で出勤日・休日を決めることができる自由な働き方。
サイクリングも好きだったため、向いているかもしれない思い、実際にトライすることに。
今回は、当時のUber Eats配達員のエピソードをご紹介します。
◇Eigo Stories vol.3


【人生初のUber Eats配達】想定外のトラブル遭遇 ~Eigo Stories vol.3~
1章. 人生初のUber Eats配達
仕事初日。
私はUber Eatsの配達バッグを背負い、自宅の中野から新宿駅に向かっていました。
当時、わざわざ新宿駅まで向かったのは、駅周辺に仕事が多いとSNSで口コミを見たためです。
また、スマホを自転車に固定する器具は、以前にバイクで使っていたものを転用しました。
スマホを手に、息を吸って深呼吸。
「よし、いきますか」
そう呟いて自分自身に気合いを注入し、Uber Eatsアプリを立ち上げました。
その数秒後、驚くほど早く初の配達依頼が届きました。
2章. 想定外のトラブル遭遇
Uber Eatsアプリの案内に従い、依頼元の飲食店に向かいました。
到着すると店員さんから既に料理の準備が終わっていると声を掛けていただき、注文番号を伝えて料理を受けとりました。
その後、アプリ上の地図マークで示されたお客さんの住所に向けて自転車で5分くらい走ると、目の前に現れたのは新宿市役所。
「市役所で働く人からの注文かな?」
そんなことを呑気に考えながら、アプリ内の注文者情報を見ました。
お客さんの住所欄を見ると、そこには新宿のマンション名が登録されていました。
ただ、アプリでマークされた場所は依然として市役所のまま。
「まさかここじゃない・・・?」
そんな不安を感じながら、まずは注文者情報からお客さんに電話をしました。
電話口から聞こえてきたのは、若い女性の声。
恐る恐る市役所に着いた旨を伝えると、「自分は市役所に行っていないし、そもそも新宿駅の西側の自宅マンションから注文した」とのこと。
状況が理解できなかったためすぐに謝って電話を切り、続いてUber Eatsのコールセンターに問い合わせました。
オペレーターから案内されたのは、
①今回はアプリのトラブル、②正しいお客様の住所に向かって欲しい
とのことでした。
脱力しながらも了承し、オペレーターとの電話を切りました。
「初仕事からトラブルとは運が無さすぎる・・・」
思わず独り言を呟いていました。